ー原状回復の手順をわかりやすく解説|退去確認から工事完了までの流れー

原状回復とは何をする工事なのか
原状回復とは、賃貸物件の入居者が退去したあと、室内を次の入居者へ貸し出せる状態に整える作業です。ただし、入居前とまったく同じ新品の状態へ戻すことを意味するわけではありません。通常の生活によって自然に生じた日焼けや設備の古さなどは、一般的に経年劣化や通常損耗として扱われます。一方、故意や不注意によって付いた傷、清掃不足によるひどい汚れ、たばこの臭いやヤニ、結露を放置したことによるカビなどは、入居者側の負担になる可能性があります。
原状回復を円滑に進めるには、どの部分を誰の負担で直すのかを最初に整理することが大切です。契約書や入居時の写真、修繕履歴などを確認し、退去時の状態と照らし合わせます。判断を曖昧にしたまま工事を始めると、費用をめぐるトラブルにつながりかねません。そのため、原状回復の手順では、工事そのものだけでなく、事前確認や記録の保存も重要な工程になります。
さらに、住宅と店舗・事務所では契約内容や求められる復旧範囲が異なることがあります。店舗では間仕切りや看板、造作設備の撤去が必要になる場合もあるため、物件の用途に合わせて確認しなければなりません。退去日から次の募集開始までの期間も考え、余裕を持って準備することがポイントです。
退去前に契約内容と室内の状態を確認する
原状回復の最初の手順は、賃貸借契約書と室内の状態を確認することです。契約書には、退去時の清掃費、畳やふすまの交換、設備の修理などに関する特約が記載されている場合があります。まずは契約内容を読み、貸主と借主の負担範囲を把握しましょう。特約がある場合でも、内容が明確に説明されているか、負担内容が過度なものになっていないかを確認することが大切です。
次に、室内を一部屋ずつ確認します。壁や床だけでなく、キッチン、浴室、トイレ、収納、建具、エアコンなどもチェックします。確認時には、次のようなポイントを意識すると見落としを減らせます。
・壁紙の汚れ、破れ、落書き
・床のへこみ、傷、変色
・水回りのカビ、水あか、油汚れ
・ドアや収納扉の破損
・設備の故障や部品の紛失
・ペットやたばこによる臭い
気になる箇所は、全体と近接の両方を写真に残しておきます。撮影日が分かる形で保存すると、入居前後の比較がしやすくなります。入居時のチェックシートや写真がある場合は、退去時の状態と照合し、もともとあった傷なのか、入居中に生じたものなのかを整理しましょう。
退去立ち会いで修繕箇所を決める
室内の確認後は、管理会社や貸主、入居者が退去立ち会いを行い、修繕が必要な箇所を確認します。立ち会いでは、部屋を順番に見ながら傷や汚れの原因を整理し、経年劣化、通常損耗、入居者の故意や過失のどれに当たるかを検討します。ここで重要なのは、その場の印象だけで負担を決めないことです。入居年数、設備や内装の使用年数、入居時の状態、傷の付き方などを確認し、客観的に判断する必要があります。
立ち会い時には、確認した内容をチェックシートへ記録します。修繕箇所だけでなく、傷の大きさ、汚れの範囲、原因と考えられる事情も具体的に記載すると、後から認識の違いが起こりにくくなります。内容に納得できない項目がある場合は、すぐに署名するのではなく、説明や根拠を確認しましょう。
また、鍵や備品の返却もこの段階で行います。合鍵、設備の取扱説明書、リモコンなどの返却漏れがないか確認してください。退去立ち会いが終わったら、修繕範囲を確定し、原状回復工事の見積もりへ進みます。立ち会い記録は費用精算の根拠になるため、双方で保管しておくことが大切です。
見積もりを確認して原状回復工事を行う
修繕箇所が決まったら、施工業者が現地の状態を確認し、工事内容と費用を見積もります。見積書では、工事項目、数量、単価、材料費、作業費、廃材処分費などが分かれているかを確認しましょう。「内装工事一式」のように内容がまとめられている場合は、具体的な施工範囲を確認することが重要です。必要に応じて複数の業者へ見積もりを依頼すると、相場や工事内容を比較しやすくなります。
工事は、一般的に残置物の撤去、設備の修理、内装の補修、清掃の順で進みます。壁紙の張り替えや床の補修、建具の調整、水回り設備の修理などを行ったあと、室内全体を清掃します。工事内容が多い場合は、作業の順番を誤ると、補修した場所を再び汚したり傷付けたりする可能性があります。そのため、施工前に工程表を作り、各作業の順序を整理しておくと安心です。
工事中に見積もり外の不具合が見つかることもあります。その場合は、追加工事を勝手に進めず、写真や状況説明をもとに了承を得てから対応します。追加費用の発生条件を事前に決めておくことで、工事後の請求トラブルを防ぎやすくなります。
工事完了後の確認と費用精算を行う
原状回復工事が完了したら、見積書や工事指示書と照らし合わせながら仕上がりを確認します。修繕箇所が直っているかだけでなく、壁紙の浮き、床の補修跡、設備の動作、清掃の仕上がり、臭いの残りなども確認しましょう。キッチンや浴室では水を流し、排水や漏水に問題がないかを確かめます。照明、換気扇、エアコン、インターホンなども実際に動かして確認すると安心です。
不具合が見つかった場合は、該当箇所を写真に残し、施工業者へ手直しを依頼します。確認が終わる前に完了扱いにすると、後から対応してもらいにくくなることがあるため注意が必要です。問題がなければ、工事完了報告書や施工後の写真を保管します。
最後に、敷金や修繕費の精算を行います。入居者負担となる項目については、工事内容、金額、負担する理由が分かる明細を提示することが大切です。原状回復の手順を丁寧に進めれば、不要な工事や費用の行き違いを防ぎやすくなります。契約確認、現地調査、立ち会い、見積もり、工事、完了確認という流れを守り、記録を残しながら進めることが円滑な原状回復につながります。
特に、退去直前になって慌てて確認すると、業者の手配や見積もりの比較に十分な時間を取れません。退去予定が決まった段階から契約書や入居時資料を準備し、必要な連絡を早めに行いましょう。段階ごとの確認を省略せず、関係者の認識をそろえて進めることが、工期の遅れや予想外の出費を抑える近道です。”
C.i.P株式会社は、東京都練馬区を中心に原状回復やハウスクリーニングを承っております。当社は、スピード感のある原状回復を心掛けております。空室の期間をなるべく短くしたいオーナー様・管理会社様は、ぜひ当社におまかせください。
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